映画「PERFECT DAYS」を観た話

ずっと気になっていた映画 遅ればせながらアマプラで見ました。

渋!!..。

寡黙な掃除のおじさん。

ボキャブラリーがないのかな、自分とおんなじだな。以前は何してたのかな、などと

感情移入多めで、のめり込みました。

どことなくホアキンフェニックス主演のカモンカモンに通じるお話だな。いや待てよ、もっと似てると言えばパリテキサスじゃないかセルフオマージュか...パリテキサスも最初は主役のおじさんが序盤ほとんど喋らない。そして兄弟も出てくるし、子供も出てくる

今回の本編では姪っ子だったけど。パリテキサスは自然広大な美しい景色をロードムービーで描いた。今回の東京では首都高速を軽自動車で走る通勤を描いている。

なるほど、1985年公開のパリテキサスから38年後の2023年に今作パーフェクトデイズどんだけ長い年月たってもほぼ同じテーマで映画撮るんだ。執念だわ。寡黙な男の運転には何かしら考えていることがある。といったテーマか.

 

同じような毎日、同じような景色、俗にゆうと下層の社会を生きる主人公。無口なのはPTSDか麻痺してるのか、世間体は気にしない自分だけの密かな楽しみも持っている。生活スタイルはおそらく変えない、きつくても同じところで働くし長く住み続けるアパートもある。

主人公にとってこの先の人生を大きく左右する出来事はない、来ないで欲しいと思っているのだろう。劇の最後に流れたテープの曲

の歌詞に意味はあるのだろうか、運転しながらその日の仕事に向かう表情は笑っているようにも泣いてるようにも見えた。

役所さんの演技が凄い。

 

パリテキサスではライクーダーのブルージーなスライドギターが黒魔術的に耳に残ったのだが今作は、往年のロックしかもダークなやつばかり。サブカル好きにはたまらい選曲で、舞台も東京で渋谷や首都高で、キャスティングも下北に居そうな劇団的な人々ばかり。特に公園でお昼を食べるシーンでたまーに一緒になるOL女性、との視線のやりとり、 全くの他人との距離感、なんだろう

何か会話がはじまるかなと思わせて何も起こらない、実社会ではよくありそうなシチュエーション。この描写が特によかった。

映画の教科書として残るシーンだなと思う。これはシナリオで書くのと実際に撮ったのを編集するのとでは普通は出来ない領域の映像感覚。後日姪御が来てからは、名もないOLはアウトフォーカスにして存在感が薄めてあるところも、、逆に気になったけども。

ああ、なんかもどかしい。

 

監督はヴィムベンダース。。。

面白かった。人生はもやもやが残る、悔いが残るのが人生だ!って言いたい.